
今回は「シェアハウス」についてお話ししたいと思います。これからシェアハウスに住んでみようか迷っている方や、「実際どんな雰囲気なんだろう?」と気になっている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
筆者はこれまでに日本だけでなく、海外でもシェアハウスでの生活を経験してきました。その実体験をもとに、シェアハウスのリアルな魅力や注意点などをお伝えしていきます。
はじめに
筆者のシェアハウス利用歴
もうかれこれ4年くらいシェアハウス暮らしを続けています。もともと私は一人暮らしをしていましたが、ワーキングホリデーで海外へ行くことを決めたのをきっかけに、大きな決断をすることになりました。
というのも、日本に家電や家具を置いておくことができず、すべて処分する必要があったからです。そこで、ワーホリ出発までの8ヶ月間だけ「シェアハウス」に住んでみることにしました。
選んだのは、かつて会社の寮だった建物をリノベーションした大型のシェアハウス。約40人が暮らせる場所でした。その後、イギリスや台湾でもシェアハウス生活を経験。国や文化が変われば雰囲気も違い、それぞれの魅力や発見がありました。
シェアハウスってどんなところ?
一般的な定義と特徴
シェアハウスとは、複数の人が1つの住宅に共同で暮らす住居スタイルのことです。キッチンやリビング、バスルームなどの共有スペースを使いながら、それぞれの個室でプライベートも保つのが一般的なスタイルです。
近年は、若い世代だけでなく、外国人、地方からの転勤者、定年後の人など、さまざまな人がシェアハウスに住むようになってきています。
筆者が日本で住んでいた大型のシェアハウスは20代から60代まで幅広い層の方が住んでいました!20代〜30代の方が多く、外国人の方もいました。
その他炊飯器、トースター、冷蔵庫、掃除機、お皿、フライパンなども全てシェアでした!筆者が住んでいたところは大型ハウスだったので、キッチンも2階、3階にあり、シャワー室や洗濯機もそれなりにあり、誰かとブッキングして困ることはほぼありませんでした。
最近のシェアハウス事情
以前は、家賃の安さや一時的な住まいとして選ばれることが多かったシェアハウスですが、最近では「共通の目的」や「価値観」をもった人たちが集まり、コミュニティや学びの場としてのシェアハウスが注目されています。
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実体験から語る:シェアハウスの「良いところ」
家賃が安い・光熱費こみのところが多い
シェアハウスなので家賃も安くすみます。筆者は一人暮らしをしていた時よりも2万円ほど家賃が下がりました。
しかし日本で住んでいた大型のシェアハウスは管理費が1万5千円と少しお高めに設定されていました。というのも、お風呂掃除、トイレ掃除、共有部分の掃除は外部から掃除の方が来てくれていたので、その分だと思います。また、その為トイレットペーパーやトイレ掃除用品など買わなくて済んでいたので私にとってはよかったです!
シェアハウスによっては、自分達で掃除、トイレットペーパーなども話し合いで誰が買うかみんなで決めるところもあります。ちなみに筆者が住んだ海外のシェアハウスは、自分達で日用品の調達、掃除をするスタイルでした。
ものを所有しない暮らしができる
先ほども触れましたが、キッチンに置いてある道具や洗濯機、掃除機、シャワー室全てシェアできるので、筆者のような海外に行く前の人やものを持たない暮らしがしたい人は最高の環境だと思います!大型シェアハウスでは、パン製造機、マッサージチェア、運動マシーンも置いてありました!
自分の部屋もあるのでプライベートがしっかり守られている
シェアハウスと言っても、共有部分がシェアなので自分用の部屋はしっかりあり、プライベートは守られています。ホテルみたいな構成がイメージしやすいと思います。
人との出会いがある
シェアハウスには、さまざまなバックグラウンドを持った人たちが集まります。普段の生活ではなかなか出会わないような職業の人や、自分とはまったく違う趣味を持つ人と関わる機会があるのも、シェアハウスならではの魅力です。
中には、人生のパートナーと出会う人もいます。私が日本で住んでいたシェアハウスでは、後にカップルとなった住人が2組いて、なんとシェアハウス内で結婚パーティを開いたというエピソードも!私が住んでいた当時はカップルはいませんでしたが、そうした話を聞くだけでも、シェアハウスが「ただの住まい」以上の場所であることを感じさせてくれます。
人がいる安心感がある
たとえば、体調を崩して寝込んでしまったとき。ドアノブにそっと飲み物や食べ物を置いてくれる人がいたり、家に帰ると「おかえり〜」と言ってくれる人がいたり。そんなさりげない優しさや気配りに、シェアハウスならではの安心感を感じることがあります。
誰かが作った美味しい料理を「一口食べる?」と自然にシェアできたり、些細な日常を一緒に楽しめる空気があるのも魅力のひとつです。
国際交流型のシェアハウスでは英語力アップのチャンスも
近年、日本でも国際交流型のシェアハウスが注目を集めています。語学を学びたい人や、海外の文化に触れたい人たちにとって、住みながら自然に交流できるこのスタイルはとても魅力的です。
実際に、筆者のようにワーキングホリデーに行く前の語学トレーニングとして入居する人も多くいます。テキストブックの英語ではなく、実際の会話を通して英語を学べるのは、何よりの強みです。日常のちょっとした会話や、食卓を囲んでのディスカッションの中で、「使える英語」が自然と身についていく感覚があります。ために入居する人もいます。
実体験から語る:シェアハウスの「気をつけるべきこと」
プライバシーの確保が難しいと感じる人も
私自身は、個室があればそれで十分と感じるタイプですが、中には「生活の様子を他人に見られたくない」と感じる方もいると思います。
シェアハウスでは、キッチンやリビング、洗面所などの共有スペースで誰かと顔を合わせることが日常です。完全にひとりきりで過ごす、というのはなかなか難しい環境でもあります。
そのため、人との距離感に敏感な方や、誰かが近くにいるだけで気疲れしてしまうタイプの方にとっては、ストレスを感じることもあるかもしれません。
ルールやマナーの違いでトラブルになることも
人の価値観は本当にさまざまです。たとえば「どこまでが綺麗と感じるか」「どこまで許せるか」といった感覚は、生まれ育った環境や生活スタイルによってまったく異なります。
シェアハウスでの生活は、ある意味「同棲」に近い感覚です。自分の価値観を押しつけるのではなく、お互いに歩み寄って尊重し合うことが何より大切です。
知らない人同士がひとつ屋根の下で暮らす以上、多少のトラブルやすれ違いが起こるのは当然のこと。それをどう受け止めて、どう解決していくかが、シェアハウス生活の鍵になります。
もし「今は仕事や生活でいっぱいいっぱいで、他人と気を遣いながら暮らす余裕がない…」という状態であれば、シェアハウスは少しハードに感じるかもしれません。
住人の入れ替わりによる環境の変化
シェアハウス生活では、住人の入れ替わりがあるのが当たり前です。数ヶ月〜1年ごとに引っ越す人も多く、雰囲気や人間関係はそのたびに少しずつ変わっていきます。
この変化を「楽しめる人」には、毎日が新鮮で刺激的。でも、一定の人間関係を好む人や、安定した空間を求める人にとっては、少し疲れる場面もあるかもしれません。
日本と海外のシェアハウスの違い
清潔さの感覚の違い
文化や言葉が違えば、当然シェアハウスの雰囲気も大きく変わってきます。筆者が実際に日本と海外のシェアハウスの両方に住んでみて、まず最初に強く感じたのが、「清潔さの感覚の違い」でした。
日本のシェアハウスでは、住人同士が共有スペースをきれいに保とうとする意識が高く、キッチンやリビング、バスルームなども比較的清潔に保たれている印象がありました。
一方、海外で暮らしたシェアハウスでは、共有スペースの掃除に対する意識がゆるいことが多く、特にリビング横のトイレがあまり綺麗ではなく、衝撃を受けた覚えがあります。
もちろん、国や地域、住んでいる人のタイプにもよりますが、清潔さに対する価値観の違いは、文化の違いを実感しやすいポイントのひとつかもしれません。
あり得ないことが起こるのもまた海外
筆者自身は経験しませんでしたが、海外のシェアハウスでは「大家さんの言うことは絶対」というケースも少なくありません。
日本では契約書や法律に基づいて借主がある程度守られることが一般的ですが、海外ではそうしたルールが曖昧だったり、契約内容よりも大家さんの都合が優先されるようなケースもあります。
たとえば、ある日突然「明日から出て行って」と言われてしまった、という話も耳にしたことがあります。もちろんすべてのシェアハウスがそうというわけではありませんが、個人のオーナーが管理している物件では、こうしたトラブルが起きやすいのが現実です。
シェアハウスを選ぶときのチェックポイント
内見時に確認すべきこと
シェアハウスを選ぶ際、内見はとても大切なポイントです。写真や間取り図だけではわからない、実際の雰囲気や住人の様子、生活感を感じることができる貴重な機会です。
特に注意したいのが、トイレやお風呂、キッチンなどの水回りの清潔さ。ここは日々の快適さに直結するため、実際に見て、においや汚れの有無などをしっかりチェックすることをおすすめします。
また、シェアハウス内のルールやマナーについても、事前に担当者に確認しておくと安心です。ゴミ出しの分担、掃除の当番、共有スペースの使い方など、運営スタイルによってかなり差があります。
管理会社・運営者の対応
シェアハウスでの暮らしを快適にするためには、管理会社や運営者の対応がしっかりしているかどうかも非常に重要です。
住人同士のトラブルやマナーの問題が発生した際に、適切に介入してくれる運営者がいるかどうかも大切なポイントです。放置されてしまうと、住みづらい環境になってしまうこともあります。
運営がしっかりしているシェアハウスでは、定期的な清掃やルール管理が行き届いていて、住人同士のバランスも取れやすい傾向があります。
内見や問い合わせの段階で、対応の丁寧さやレスポンスの早さをチェックしておくと、その後の生活もスムーズになります。
まとめ:シェアハウスは「暮らしの幅を広げる」選択肢
シェアハウスには、プライバシーの制限や人間関係の調整といった難しさもありますが、それ以上に得られる経験やつながりの豊かさがあります。
さまざまな価値観を持つ人たちと出会い、時には助け合い、時には刺激を受けながら暮らす日々は、一人暮らしでは得られない発見や成長のきっかけになることもあります。
日本でも海外でも、シェアハウスのかたちはどんどん多様化しており、自分に合ったスタイルを選べるようになっています。「シェアハウスをしようか迷っている」という方は内見や体験入居などで雰囲気を確かめてみるのも良いかもしれません。
筆者はワーホリに行く前のコミニュケーションの練習として暮らしてみて、とても為になりましたし、よかったと思っています。
シェアハウスは、ただの住まいではなく、暮らしの幅を広げる選択肢のひとつです。新しい出会いや価値観に触れる毎日は、きっと何かを得られると思っています。